SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(ジャディアンス)とDPP-4阻害薬リナグリプチン(トラゼンタ)の配合剤「トラディアンス」の「「禁忌・禁止」及び「使用上の注意」について

全身性強皮症(SSc)患者さんの公的支援制度
全身性強皮症(SSc)治療中に活用できる主な制度
SSc患者さんは、難病医療費助成制度や高額療養費制度を使って治療中の経済的負担を減らせる可能性があります。
SScは厚生労働省の指定難病となっています。そのため、治療中の患者さんの経済的負担を減らすことを目的とした、さまざまな制度が設けられています。
SSc患者さんが受けられる主な支援制度には難病医療費助成制度や高額療養費制度などがあります。
「難病医療費助成制度」について詳しく知りたい方へ
「高額療養費制度」について詳しく知りたい方へ
難病医療費および高額療養費で助成されるイメージ
SScと診断された患者さんは重症度0(normal)、1(mild)、2(moderate)、3(severe)、4(very severe)に分類されます。(➡「SScの重症度判定」参照
重症度0~1で高額な医療費を支払っている方(➡「軽症高額」参照)および重症度2~4の方は、難病医療費助成制度の対象になります。
SSc診療において活用できる難病医療費助成制度、高額療養費制度
SScの重症度判定
①皮膚、②肺、③心臓、④腎、⑤消化管のうち、最も重症度スコアの高いものが患者さんの重症度となります
※ 以下の重症度判定基準は、難病情報センターHP(http://www.nanbyou.or.jp/)「全身性強皮症の診断基準」より引用。
① 皮膚
皮膚の重症度判定とmRSS算出方法
modified Rodnan’s total skin thickness score (mRSS)
0 (normal) 1 (mild) 2 (moderate) 3 (severe) 4 (very severe)
mRSS 0 1~9 10~19 20~29 >30
mRSSの計算方法
(右) (左)
手指 0 1 2 3 手指 0 1 2 3
手背 0 1 2 3 手背 0 1 2 3
前腕 0 1 2 3 前腕 0 1 2 3
上腕 0 1 2 3 上腕 0 1 2 3
0 1 2 3
前胸部 0 1 2 3
腹部 0 1 2 3
大腿 0 1 2 3 大腿 0 1 2 3
下腿 0 1 2 3 下腿 0 1 2 3
足背 0 1 2 3 足背 0 1 2 3
合計(mRSS)__________________________
出典:難病情報センターHP「「全身性強皮症の診断基準」
② 肺
以下の胸部高分解能CT(HRCT) 5スライスにおいて、ILDと関連する全ての陰影(すりガラス影、網状影、嚢胞影)の占めるおよその面積比を求め(5%単位)、それらの平均を病変の広がりとします。
胸部HRCT 5スライスの例
胸部HRCT下の病変の広がりと努力肺活量(FVC)、酸素療法の有無を組み合わせて重症度を判定します。
肺の重症度判定アルゴリズム
③ 心臓
心臓の重症度判定基準
重症度 自覚症状 心電図 心臓超音波
拡張障害 左室駆出率(EF)
0(normal) なし 正常範囲 なし EF>50%
1(mild) NYHA I 度 薬物治療を要しない不整脈、伝導異常 あり
2(moderate) NYHA Ⅱ度 治療を要する不整脈、伝導異常 40%<EF<50%
3(severe) NYHA Ⅲ 度 カテーテルアブレーション又はペースメーカーの適応 EF<40%
4(very severe) NYHA Ⅳ 度
各項目の重症度のうち、最も重症なものを全体の重症度とします。
拡張障害は、拡張早期左室流入波(E波)と像帽弁輪速度(e’波)の比E/e’>15と定義します。
出典:難病情報センターHP「全身性強皮症の診断基準」
④ 腎
腎臓の重症度判定基準
重症度 eGFR (mL/分/1.73 m2)
0(normal) 90以上
1(mild) 60から89
2(moderate) 45から59
3(severe) 30から44
4(very severe) 29以下又は血液透析導入
SScでは筋肉量が低下することがあるため、筋肉量の影響を受けにくいシスタチンCを用いたeGFRの推算式を利用します。
男性:(104×Cys-C−1.019×0.996年齢)-8
女性:(104×Cys-C−1.019×0.996年齢×0.929)-8
Cys-C:血清シスタチンC 濃度(mg/L)
※ 腎障害の原因がSSc以外の疾患として診断された場合は、この基準での評価から除外されます。
出典:難病情報センターHP「全身性強皮症の診断基準」
⑤ 消化管
消化管の重症度判定基準
(1)上部消化管病変
重症度
0(normal) 正常
1(mild) 食道下部蠕動運動低下(自覚症状なし)
2(moderate) 胃食道逆流症(GERD)
3(severe) 逆流性食道炎とそれに伴う嚥下困難
4(very severe) 食道狭窄による嚥下困難
(2)下部消化管病変
重症度
0(normal) 正常
1(mild) 自覚症状を伴う腸管病変(治療を要しない)
2(moderate) 抗菌薬等の内服を必要とする腸管病変
3(severe) 吸収不良症候群を伴う偽性腸管閉塞の既往
4(very severe) 中心静脈栄養療法が必要
出典:難病情報センターHP「全身性強皮症の診断基準」
オフェブによる全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)治療中にかかる費用
オフェブの治療を受ける患者さんのうち、SSc重症度2~4の患者さんだけでなく、重症度0~1の患者さんも難病医療費助成制度の対象となる可能性があります。
オフェブは、通常、成人にはニンテダニブとして1回150mg(患者の状態により1回100mgへ減量)を1日2回、朝・夕食後に経口投与する薬剤です。

オフェブを処方されるSSc-ILD患者さんのうち、SSc重症度0〜1の患者さんは、高額療養費制度を活用して医療費自己負担額を軽減できる可能性があります。また、治療開始以降にSSc治療による医療費総額が33,330円(自己負担額3割の場合10,000円)を超える月が、12ヵ月の間に3回以上ある場合は、「軽症高額」として難病医療費助成制度の対象になります。さらに、難病医療費助成制度適用後、医療費総額が50,000円(自己負担が2割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある場合は、「高額かつ長期」を活用して、自己負担額がより軽減される可能性があります。

「難病医療費助成制度」について詳しく知りたい方へ
「高額療養費制度」について詳しく知りたい方へ
オフェブを処方されたSSc重症度0〜1の患者さんが活用できる公的支援制度のイメージ
オフェブを処方されるSSc重症度2〜4の患者さんは、難病医療費助成制度を活用して医療費自己負担額を軽減できる可能性があります。また、医療費総額が50,000円(自己負担が2割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある場合は、難病医療費助成制度の「高額かつ長期」を活用して、自己負担額がより軽減される可能性があります。
オフェブを処方されたSSc重症度2〜4の患者さんが活用できる公的支援制度のイメージ
SSc-ILD患者さんの自己負担額(モデルケース)
オフェブ(150mg×2回/日)の服用患者さんにおける1ヵ月の医療費総額(診察や検査を含める)は40万円以上(10割)となることも少なくなく、自己負担額が12万円以上(3割負担)と、患者さんの経済的負担が大きくなる可能性があります。SScは公的支援制度の対象疾患となりますので、治療中の経済的負担を軽減することが可能です。難病医療費助成制度と高額療養費制度を活用した場合の患者さんの医療費の負担がどのくらい減るのか、年齢・SSc重症度別に4つのモデルケースを示します。
SSc重症度0〜1の患者さんの場合
モデルケース1:
55歳、SSc-ILD患者さん(SSc重症度1)〔標準報酬月額34万円(年収約500万円)、住民税24万円〕
※1ヵ月に1回の受診でオフェブ150mg×2回/日を28日間処方される場合
55歳、SSc重症度1の患者さんでは、高額療養費制度を活用することで、月々の自己負担額を81,480円(HRCT検査あり)までに抑えることができます(➡「自己負担限度額」参照)。
※ 80,100円+(医療費-267,000円)×1%にて計算
注)HRCT検査にかかる費用(30,000円)は、おおよその目安になります。

さらに、来院4回目には、医療費総額が33,330円(自己負担が3割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が、3回以上となり、難病医療費助成制度の軽症高額が適用されると、自己負担額を20,000円まで抑えることができます(➡「軽症高額」参照)。
また、難病医療費助成制度適用後、医療費総額が50,000円(自己負担が2割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある場合は、「高額かつ長期」を活用して、自己負担額を10,000円まで抑えることができます(➡「高額かつ長期のイメージ」参照)。
モデルケース2:
70歳、SSc-ILD患者さん(SSc重症度1)〔標準報酬月額20万円(年収約240万円)、住民税4万円〕
※1ヵ月に1回の受診でオフェブ150mg×2回/日を28日間処方される場合
70歳、SSc重症度1の患者さんでは、高額療養費制度を活用することで、月々の自己負担額を18,000円までに抑えることができます(➡「自己負担限度額」参照)。
さらに、来院4回目には、医療費総額が33,330円(自己負担が2割の場合、自己負担額が6,670円)を超える月が、3回以上となり、難病医療費助成制度の軽症高額が適用されると、自己負担額を10,000円まで抑えることができます(➡「軽症高額」参照)。
また、難病医療費助成制度適用後、医療費総額が50,000円(自己負担が2割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある場合は、「高額かつ長期」を活用して、自己負担額を5,000円まで抑えることができます(➡「高額かつ長期のイメージ」参照)。
SSc重症度2〜4の患者さんの場合
モデルケース3:
55歳、SSc-ILD患者さん(SSc重症度2)〔標準報酬月額34万円(年収約500万円)、住民税24万円〕
※1ヵ月に1回の受診でオフェブ150mg×2回/日を28日間処方される場合
55歳、SSc重症度2の患者さんでは、難病医療費助成制度を活用することで、月々の自己負担額を20,000円までに抑えることができます(➡「自己負担上限額」参照)。
また、難病医療費助成制度適用後、医療費総額が50,000円(自己負担が2割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある場合は、「高額かつ長期」を活用して、自己負担額を10,000円まで抑えることができます(➡「高額かつ長期のイメージ」参照)。
モデルケース4:
70歳、 SSc-ILD患者さん(SSc重症度2)〔標準報酬月額20万円(年収約240万円)、住民税4万円〕
※1ヵ月に1回の受診でオフェブ150mg×2回/日を28日間処方される場合
70歳、SSc重症度2の患者さんでは、難病医療費助成制度を活用することで、月々の自己負担額を10,000円までに抑えることができます(➡「自己負担上限額」参照)。
また、難病医療費助成制度適用後、医療費総額が50,000円(自己負担が2割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある場合は、「高額かつ長期」を活用して、自己負担額を5,000円まで抑えることができます(➡「高額かつ長期のイメージ」参照)。
【参考資料】