オフェブ®をご使用いただく上での難病医療費助成制度について

難病医療費助成制度
難病法と指定難病
医療費助成の対象となる指定難病は、令和元年7月から333疾病になりました。
平成27年1月、難病対策を充実させ、難病患者さんに対する良質・適切な医療の確保と療養生活の質の維持向上を図ることを目的に、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が施行され、難病患者さんに対する医療費助成制度が大きく変わりました。
難病とは?
難病とは、「発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」と、難病法に定められています。
指定難病とは?
難病のうち、医療費助成の対象となるものが指定難病です。

指定難病は、①患者数が本邦において一定の人数(人口の0.1%程度)に達しないこと、②客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が確立していることの要件を満たし、その難病患者さんが置かれている状況からみて、良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定します。

従来、医療費助成の対象疾患は56疾病であったのに対し、難病法が施行された平成27年1月では110疾病、さらに、平成27年7月で306疾病、平成29年4月で330疾病、平成30年4月で331疾病、令和元年7月で333疾病と大幅に増えています。
難病の定義
難病指定医と指定医療機関
「難病指定医」の行った診断、治療であっても、「指定医療機関」で行われたものでなければ医療費助成の対象にはなりません。
指定難病と認められるには、難病指定医の診断を受ける必要があります。難病指定医とは、難病医療費助成を申請する際に必要となる診断書(臨床調査個人票)の作成や、患者データの登録を行える医師のことです。
※難病情報センターHP(http://www.nanbyou.or.jp/
「難病指定医一覧」(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5309)を参照
難病指定医の要件は?
難病指定医は診断または治療に5年以上従事した経験があり、かつ以下のいずれかの要件を満たしていることが必要です。
  • 申請時点において関係学会の専門医の資格を有していること
  • 一定の研修(1~2日間程度)を修了していること
これらの要件を満たし、都道府県または指定都市に指定医申請を行った医師が難病指定医となります。難病指定医は、指定難病の新規申請用および更新申請用の診断書を作成することができます。

また、難病指定医とは別に協力難病指定医がいます。協力難病指定医は更新申請用の診断書のみを作成することができます。
協力難病指定医の要件は?
協力難病指定医は、以下の要件を満たしていることが必要です。
  • 診断または治療に5年以上従事した経験をもち、診断書を作成するのに必要な知識と技能を有していること
  • 一定の研修(1~2時間程度)を修了すること
難病指定医と協力難病指定医
難病法の医療費助成は、支給認定で特定された指定医療機関による医療(指定特定医療)を対象とします。指定医療機関とは、開設者の申請により都道府県知事または指定都市市長の指定を受けた①病院・診療所、②薬局、③訪問看護事業者(訪問看護ステーション)をいいます。
難病指定医と指定医療機関の申請手続き
コラム:難病医療支援ネットワーク
平成29年4月に改正された厚生労働省「難病特別対策推進事業実施要綱」に基づいて、平成30年度から新たな難病医療提供体制の構築が進められています。

都道府県内の医療機関で診断がつかない場合、または診断に基づく治療を行っても症状が軽快しない場合等には、必要に応じて国が整備する「難病医療支援ネットワーク」に照会し、より早期に正しい診断や必要な医療の提供が行われるようになりました。難病医療支援ネットワークは、 国立高度専門医療研究センター、難病に関する研究班・学会、IRUD(未診断疾患イニシアチブ:Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases) 拠点病院、難病情報センター、各都道府県難病診療連携拠点病院等で構成されています。
難病医療支援ネットワーク
難病医療費助成とは
難病医療費助成制度により医療費の負担を減らせる可能性があります。
難病医療費助成制度とは、厚生労働大臣が定める指定難病の患者さんで、症状が一定程度以上または高額な医療費を支払っている場合(➡「軽症高額」参照)、医療費が助成され自己負担が軽減される制度です(➡「自己負担上限額」参照)。また、高額な治療を長期にわたって行う必要があれば、負担はさらに軽減されます(➡「高額かつ長期のイメージ」参照)。
自己負担上限額
自己負担上限額もしくは医療費2割のどちらか低い金額が患者さんの負担になります。また、「高額かつ長期」に該当する患者さんについては、さらに自己負担上限額が軽減されます。
難病医療費助成制度では、世帯の所得に応じて自己負担上限額が決定されます。また、受給者証が交付された方の医療費の自己負担額は2割になります。 該当患者さんは、自己負担上限額か医療費2割のどちらか低い金額を自己負担することになります。ただし、入院時の食事は、助成対象に含まれていないため、原則患者さん負担となります。

※ 75歳以上の方など、申請前の自己負担割合が1割の方は、申請後も自己負担割合は1割です。
自己負担上限額
また、高額な医療が長期的に継続する患者さんに対しては、階層区分が「一般所得」および「上位所得」の場合、自己負担額がさらに軽減されるように設定されています(高額かつ長期)。対象となるのは、指定難病についての月ごとの医療費総額が5万円(医療保険の2割負担の場合、自己負担額1万円)を超える月が12ヵ月の間に6回以上ある患者さんです。なお、高額かつ長期の適用を受けるには認定申請が必要です。
「高額かつ長期」のイメージ
難病患者さんは治療にあたり複数の医療機関を受診する場合があり、受診時には、受給者証とともに交付された「自己負担上限額管理票」を用いて、自己負担額を管理する必要があります。自己負担上限額を超えた場合は、患者さんの窓口での支払いはなくなります。
所得把握の単位
自己負担上限額は世帯の所得で決まります。
自己負担上限額は、世帯の所得に応じて設定されています。この「世帯」とは同じ医療保険に加入する人で構成する世帯(支給認定世帯)を範囲とし、その市区町村民税課税額に基づく算定により、階層区分が決まります。加入している医療保険が異なる場合は、別の「世帯」として取り扱われるため、住民票上の世帯とは必ずしも一致しません。
医療保険ごとの「世帯」のイメージ
なお、対象となる所得は、被用者保険(健康保険組合や共済組合など)か国民健康保険や後期高齢者医療に加入している世帯かで異なります。
対象となる所得
また、難病医療費助成制度では、同一世帯に難病患者さんが複数いる場合でも世帯全体の負担が増えないように、負担上限額を按分して設定する仕組みが導入されています。これにより、個々の患者さんの上限額が軽減され、世帯全体の負担は患者さんが1人である場合と同水準以下にまで抑えられます。
按分の計算方法と具体例
軽症高額
軽症の患者さんでも高額な医療の継続が必要な方は難病医療費助成の対象になります。
難病医療費助成の認定は、定められた①診断基準、②重症度基準に基づいて審査されます。原則として、上記の2つの基準の両方を満たした場合に認定されます。しかし、診断基準は満たすものの、適切な服薬などの治療によって症状が抑えられたり改善したりした結果、重症度基準を満たさない(軽症)という場合も考えられます。

このように、指定難病の場合、軽症の患者さんでも高額な医療の継続が必要な方は、難病医療費助成の対象となり、患者さんの医療費の負担軽減を図る制度が「軽症高額」です。

軽症高額の認定基準である「高額な医療の継続」は、医療費助成の申請をした月から12ヵ月前までの期間において、申請した難病にかかった1ヵ月当たりの医療費総額が33,330円(自己負担が3割の場合、自己負担額が10,000円)を超える月が3回以上ある方が対象になります。
軽症高額に認定される例
支給認定の流れ
難病医療費助成を受けるためには、患者さんの申請手続きが必要です。
難病医療費助成は、患者さんの申請に基づき、原則として以下の流れで行われます。

1)患者さんの申請
患者さんは、申請に必要な書類(➡「申請書類」参照)を用意して、市区町村の申請窓口(保健所、役所・役場など)で、申請の手続きをします。

2)都道府県からの認定
提出した書類が、市区町村から、都道府県へ送付されます。都道府県の審査で、①病状の程度が認定基準に該当する、②軽症高額基準に該当する(➡「軽症高額」参照)と認める場合に支給認定されます。

3)都道府県による医療受給者証の交付
都道府県は支給認定にあたり、患者さんの希望を参考にして選定した指定医療機関、支給認定の有効期間や負担上限額を記載した医療受給者証を交付します。なお、要件に該当せずに支給認定されなかった方には、非認定通知書が発行されます。
※ 支給認定の有効期間は原則1年間です。
その後も引き続き医療費の助成を希望する場合は、更新の手続きが必要になります。

4)患者さんの受療
支給認定された患者さんは、支給認定で定められた指定医療機関に交付された受給者証を提示すると、指定難病による医療費の助成が受けられます。
支給を受けるための流れ
申請書類
難病医療費助成を受けるための申請手続きの詳細や申請時の必要書類、支給認定の有効期間などは都道府県によって異なります。詳しくは最寄りの申請窓口にお問い合わせください。
Q&A
Q1:
難病医療費助成を受けるためにはどうしたらよいですか。
A1:
難病医療費助成を受けるためには、患者さんが申請に必要な書類を用意して、市区町村の申請窓口で申請の手続きをすることが必要です(➡「支給認 定の流れ」参照)。

Q2:
軽症の指定難病の患者さんは、難病医療費助成の申請ができますか。
A2:
軽症の指定難病の患者さんで、高額な医療の継続が必要な方は、医療費助成の対象となります。
高額な医療の継続は、医療費助成の申請をした月から12ヵ月前までの期間において、申請した難病にかかった1ヵ月当たりの医療費総額が33,330円を超える月が3回以上ある方が対象になります(➡「軽症高額」参照)。

Q3:
難病医療費助成の適応にならない場合でも、患者さんの経済的負担を減らすことは可能でしょうか。
A3:
高額療養費制度を用いることで、1ヵ月間の医療機関へ支払った自己負担額が自己負担限度額を超えた場合に、その超えた分の支給を受けられ、患者さんの医療費の負担を減らせる可能性があります(➡「高額療養費制度」について詳しく知りたい方へ)。なお、長期の治療が必要な患者さんは、高額療養費制度の多数回該当に申請することで、医療費の負担をさらに減らせる可能性があります(➡「多数回該当について」参照)。

Q4:
難病医療費助成の申請にあたりどのような書類が必要ですか。
A4:
難病医療費助成の申請には、特定医療費支給認定申請書、臨床調査個人票(診断書)、個人番号に係る調書、住民票、市区町村民税(非)課税証明書 などの世帯の所得を確認するための書類、健康保険証の写しなどが必要です。また、患者さんによっては、「軽症高額」や「高額かつ長期」に該当することを確認するための領収書などが、必要となるケースもあります(➡「申請書類」参照)。ただし、難病医療費助成を受けるための申請時の必要書類 は都道府県によって異なります。詳しくは最寄りの申請窓口にお問い合わせください。

Q5:
「高額かつ長期」を受けるために手続きは必要ですか。
A5:
「高額かつ長期」を受けるためには、認定申請が必要です。該当患者さんは、①特定医療費支給認定内容変更申請書、②難病医療費助成に係る医療費 総額の療養証明書または自己負担上限額管理票の該当ページの写しを最寄りの申請窓口に提出する必要があります。

Q6:
介護保険でサービスを受ける場合、難病医療費助成の対象になりますか。
A6:
受給者証などに記載された疾病に対して指定医療機関で受ける訪問介護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、介護療養施設サービス、介護予防訪問介護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導であれば、助成の対象になります。

Q7:
難病医療費助成の対象とならない費用について教えてください。
A7:
難病医療費助成制度では、以下のものは助成の対象となりません(東京都の場合)。
● 受給者証などに記載された疾病以外の病気やけがによる医療費
● 差額ベッド代、個室料など医療保険が適用されない医療費
● 受給者証などに記載された疾病以外に対して受ける訪問介護などの介護サービス
● 医療機関・施設までの交通費、移送費
● 補装具の作成費用
● 鍼灸院などの施術所における、はり、きゅう、あん摩、マッサージの費用
● 申請時に提出した臨床調査個人票、その他証明書類の作成・取得に要した費用
● 医療機関などから支払った医療費などの証明を受け取る時にかかる費用 など
※詳しくは最寄りの市区町村の受付窓口にお問い合わせください。

Q8:
人工呼吸器など装着者の自己負担上限額はいくらでしょうか。
A8:
人工呼吸器など装着者の自己負担上限額については、階層区分にかかわらず、月額1,000円です。
なお、東京都における「人工呼吸器など装着者」とは、以下の3つの要件すべてに該当する人工呼吸器を使用している患者さん、もしくは、体外式補助 人工心臓(ペースメーカーではありません)を使用している患者さんです。
1
一日中施行している
2
離脱の見込みがない
3
食事、椅子とベッド間の移動、整容、トイレの動作、入浴、移動、階段の昇降、更衣、排便コントロールおよび排尿コントロールにおいて、全介助 または部分介助を必要とする。
※詳しくは最寄りの市区町村の受付窓口にお問い合わせください。
Q9:
市区町村民税額を知るためにはどうすればよいのでしょうか。
A9:
市区町村民税額を知るためには、会社員であれば年1回会社を通じて市区町村から税額の通知書が送られます。自分で直接納税する自営業などの方は、市区町村から年1回納税通知書が送られます。通知書が手元になくても、役所で市区町村民税課税証明書を用意すれば、税額が確認できます。
【参考資料】
  • 厚生労働省 健康局 難病対策課 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号).
  • 厚生労働省 健康局 難病対策課 難病の患者に対する医療等に関する法律の概要.
  • 難病情報センターホームページ(http://www.nanbyou.or.jp/)からの引用(2019年12月現在).
    「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5460).
    「都道府県・指定都市別『難病指定医』一覧」(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5309).
    「新たな難病の医療提供体制について」(http://www.nanbyou.or.jp/entry/5860).
  • 第14回指定難病検討委員会資料 指定難病の要件について(平成28年5月16日).
  • 東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課作成. 難病医療費助成制度の御案内(平成28年10月版).